こんなことがありました!

出来事

「授業研究」に取り組んでいます!

 5月7日(火)、大森小では、今年度2回目の授業研究が行われました。「授業研究」とは、一人の先生の授業を他の先生方全員で参観し、授業後その指導内容や方法等について意見を交わし、以降の授業改善に生かしていくという、日本全国の公立小・中学校で行われている取組です。この日は5・6年生の算数科の授業を参観しました。

 

 まずは「小数のかけ算」の問題。5年生の内容です。小数同士のかけ算の難所は、整数と同じように計算して求めた積の小数点の付け方です。困っている5年生に6年生がアドバイスすると、5年生は「なるほど!」と納得の表情になりました。

 次は、「分数のかけ算」の問題。これは6年生の内容です。こちらは相当に高い壁となります。6年生は、分母を通分して分子同士でたし算やひき算をする方法が身に付いているので、分母同士、分子同士をかけるという発想がなかなかできません。それでも、担任が準備したヒントカードやネット資料を参考にして、試行錯誤の末、何とか計算の仕方を明らかにすることができました。5年生は計算の意味の理解は難しかったものの、計算方法はしっかり覚えることができていたようです。

 ところで参観日に授業をご覧になっていて、みんな黙々と問題に取り組んでいる様子に物足りなさを感じたことはありませんか。先生が尋ねたことに対して、子ども達が「はい!はい!」と手を挙げて活発に発言するような場面を授業イメージとしてもっている方は、そう感じてしまわれるのも当然です。須賀川市では「協同的な学び」という考え方に基づいた授業研究に取り組んでいます。活発な発言によって進められる授業は、積極的な子ばかりが活躍し、学びを深めていきます。しかし、消極的な子は困っていても周囲に尋ねることもできず、45分間ただ耐えるだけの時間を過ごします。

 そこでこの研究では、まず一人一人が課題に向き合って考え、解決しようと取り組むことを重視します。しかし、一人では解決できないこともあるので、困ったときには助け合って解決していくことを奨励していきます。また、意見が食い違えば議論を通して納得解を得ることができるようにしていくのです。そのため、ペアや3~4人の小グループで活動させることを基本としています。クラス全体で議論すると、全員に発言の機会を保障することはできないからです。一人一人がしっかりと自分の意見を伝え合うことができるようにするためにペアや小グループでの活動を重視しています。

 さらにこの研究では、基本的なレベルの課題と相当に難易度の高い課題の組合せで授業を行います。難易度の高い課題に取り組ませることによって、発達の早い子も未発達の子もお互いに協力し、支え合い、探求し合い、対等に学び合うことができるからです。

 少々難しい話になってしまいましたが、授業参観を通して疑問に思ったことがあれば家庭訪問や学級懇談会の際に担任に尋ねてみてください。ご家庭で指導する際にも役立つことがあるはずです。