豊かな猪苗代湖に感謝した1日②

part①の続きです。

はじめに見学をしたのは、『上戸取水口』でした。ここでは、安積疎水事務所の方に案内をしていただき、猪苗代湖の水を集めている場所を見学させていただきました。今は水量の増減を機械で制御しているのですが、昔は人が目で見て水量を調整していたと教えていただきました。安積平野へ送る水を猪苗代湖から取り入れていて、上から見ると三角形の形をしていました。三角形の秘密は、太陽の光を集めやすいためなのだそうです。理由は、畑に流す水は温かい方がいいため、太陽の光で温める必要があるそうです。この建物の入り口には、明治時代に水が通っていたトンネルの跡も残されていました。

次に見学をしたのは、『田子沼分水工』でした。ここは深い洞窟みたいで、地下に向かって百段くらいの階段を降りていきました。湿度も高く、少し怖かったです。安積疎水と、新安積用水に水を分けていました。猪苗代湖から流れてきた水を、左右に分水している施設を見学させていただきました。左側は本宮市や郡山市に、右側は白江地区方面に流れているそうです。地下にある階段を降り、たどり着いたその先には大きな音がして、水量の力強さを感じることができました。

3番目に見学をしたのは、『水力発電所』でした。とても大きな施設にまずびっくりしました。水の流れは見えない施設でしたが、水が通っている太いパイプを見ることができました。この『沼上発電所』は、安積疎水の工事から20年くらい後にできたそうです。日本で2番目にできた発電所で、当時すごい評判だったそうです。これまた他県の方に自慢できることですね。ここで作る電気のおかげで、郡山にはたくさんの工場ができて、町がどんどん発展していったそうです。たくさんの機械が並んでいて、落差で水のエネルギーを高め、タービンが回って電気を起こすそうです。2200KWも発電できるそうです。普通の家だと、2000軒くらいに電気が引けるそうです。

昼食は、バスでもお世話になった成田温泉のお弁当をいいただきました。写真にあるとおり、とても豪華なお弁当をいただきました。「ママの作ったお弁当の次においしい。」という女の子のつぶやきがあったように、とてもおいしいお弁当を食べました。その後食事休憩を兼ねて、逢瀬公園の遊具で30分間ほど遊んだ4年生。久しぶりに友だちと外で遊ぶことの楽しさを味わっていました。

午後からは、星野正さん・相楽儀雄さん・岡部清さんの3名の講師の方にお世話になり、長沼・白江方面に向かいました。私が1番感動したのは、先人の知恵がぎゅっと集結されてできた『須賀川円筒分水』です。猪苗代湖から来た水が筒の下に潜り込み、円筒の中心からわき上がります。そして、円筒の横にあいている穴から2つの水路に均等に水を送っていました。円筒分水の美しい形にも感動しましたが、このような仕組みを作った先日の知恵にただただ感動しながら見ていました。

最後は、白江小学校学区の畑田にある『農村を流れる水路』です。遠く離れた猪苗代湖から上戸取水口→田子沼分水工→沼上発電所→熱海頭首工→新安積幹線用水路→そして白江地区へと流れている水路。このような水路は、安積平野の中にたくさんはりめぐらせています。水路の合計は366km。郡山から富士インターまでの距離に相当します。水路は編み目のようになっていて、まるで水路は人間の血管みたいですね。3名の講師の方より、「昔泳ぎの練習をこの水路でやったんだよ。」と教えていただきました。実り多い見学学習になりました。猪苗代湖や安積疎水に携わった多くの方に感謝の気持ちをもち、水を大切にしていきたいですね。