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夢中になって学ぶ -小塩江中授業実践 理科担当者編-
本校では、職員一人一人が、それぞれに年間の授業テーマを設け、質の高い授業を実践していく努力をしていくことが、ひいては教師としての自分自身を変え、子どもを変え、学校を変えていくという共通の考えを持ち日々の授業を実践しています。
その中で求めていくのが、「夢中になって学ぶ子ども」の姿。
以下は、2年 理科「化学変化と分子・原子」の授業のひとこまです。
理科担当が生徒に語りかけます。
「マグネシウム(Mg)は二酸化炭素の中で燃えるか?」
はい?
あれ?
ものを燃やすのに必要だったのは酸素だったはず・・・。二酸化炭素では燃えないのではないか・・・。
はたして・・・・、。
そんな投げかけを理科担当にされて、生徒の目は輝き自然と学びが広がっていきます。
「燃えるのか、それとも(常識どおり)燃えないのか・・・。」
課題が、生徒の「やりたい」「やってみたい」という気持ちを揺さぶると、子どもってこんなにも夢中になるのです。
あるグループでは、共同作業の結果、こんな予想になりました。
なるほど・・・・。二酸化炭素の酸素分子が反応して燃える・・・ということですね。
こんなふうに、予想をたてることができた生徒もいれば、これまで学んできた知識をもとにして、「二酸化炭素中ではぜったいに燃えない」と言い張る生徒も。
なるほど・・・。君たちのいっていることも分かる。小学校の6年生「ものの燃え方」でも、中学生になってこれまで学んできたことからも、二酸化炭素中では燃えるなんて学んでこなかったもんね。
真っ二つに考えが割れた・・・。
わかった。
ならば、
実際に実験して実際の現象をつぶさに観察してみよう・・・・。
準備は余念なく。置換により二酸化炭素を集気ビンにとりためます。
さあ、マグネシウムを燃やしてみよう。
あ!
あーーーっ!
燃えた!
なんとうことでしょう。二酸化炭素の中なのにっ・・・。
さて、
ここで、投稿者も理科を多少指導してきたはしくれ・・・・。
語ってもいいですかな?
物が燃えるために必要なのは、燃える物、熱、そして酸素。 このどれか一つでも欠けると、物は燃えません。 しかし、世の中には例外がつき物。実は、酸素ではなく二酸化炭素の中でも燃える物質があるのです。 それがマグネシウム。
では、二酸化炭素の中で、何故燃えるのか?
マグネシウムは熱せられた状態で二酸化炭素の中に入ると、二酸化炭素から酸素を奪い取って燃えてしまいます。 要するに、炭素と結びついている酸素を使って燃えるのです。 (化学的には酸素と化合している(燃えている)のだが、見た目には二酸化炭素の中で燃えているように見える。)
二酸化炭素内の酸素と炭素の結合力はとても強いので、ほとんどの物質ではこの結合を断ち切ってまで酸素と化合する事はできないのだが、 マグネシウムは、炭素よりも酸素と結合する力が強いので、二酸化炭素の中の酸素を奪い取る事ができるのです。
ちなみに、これを中学2年で習う化学反応式という物で表すと、
CO2 + 2Mg → C + + 2MgO となります。
「燃える」という事実を知った生徒は、集気瓶の中の様子も観察。
すると・・・・
黒いもの(炭素)発見!
これらの事実をもとに、生徒たちは現象の様子を何とか化学式で表そうとし始めます。
いつの間にか、「燃えない」といっていた生徒たちの考えは無くなってしまっていました。
「燃えた」事実を目の当たりにしたのだからそうなって当然かもしれません。
生徒のまとめ
あら、「語ってもいいですかな」の人と全く同じ化学式。
生徒たちだけでできた!
すばらしい。
さて、小塩江中では今年、生徒一人一人が夢中になって学ぶことができる授業をめざし、職員一人一人が授業実践を積み重ねています。
ん?
夢中になって学ぶって?
「解決したい」「できるようになりたい」という課題意識(問い)を持ち、もの(教材・学習対象)や友達、教師と学び合いながら、自分の学びを価値あるものへと高めたり深めたりしていこうとする姿がどの子どもからもみてとれる授業
と、小塩江中ではとらえています。
真剣なときは真剣に。
やるときはやる!小塩江中なのです(^^)/
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